少し前知った作曲家の方が亡くなられた。最近、調子がおかしく緊急入院することになったという投稿を、私は今の今まで忘れていた。また、きっと忘れる。
恐ろしいからだ。多分恐ろしいから忘れたんだ。どうせ大丈夫だろうと思って、自分から遠ざけた。恐ろしいのだ。ああ、もう南無阿弥陀仏と手を合わせることしかできない。何にだろうか、冥福を祈り、自分は救われますようにだろうか。
中学校の頃、母方の祖父の臨終に呼ばれた。私は途中で帰った。恐怖で最後と看取ることができなかった。今思えば、 大勢の親類に囲まれて これ以上ないくらい和やかで静かな最後だっただろう。だが、恐ろしかったのだ。自分も肩を叩かれたような気がして。今ならば帰ることはないだろうが、今の私も死と向き合えるとは思えない。 私が感じるのは悲しみではない。恐怖だ。死者への執着ではなく、自分の生への執着がある。程度で言えば低い気がする。醜いのだろうか。ああ…どうしようもない存在だ。だが、今やこうして書くしかない。生に欲と執着のある自分が、書くことで少し向きあえている気がする。なんだが本当になんとも言えないものだ…